2025年2月の当院の胃カメラ・大腸カメラの検査結果の概況
胃カメラ(上部消化管内視鏡検査)件数の詳細
2025年2月の当院での胃カメラ件数は160件(2024年度計1858件)でした。
尚、昨年同月の2024年2月の胃カメラ件数は140件でした。
大腸カメラ(下部消化管内視鏡検査)件数の詳細
2025年2月の当院での大腸カメラ件数82件(2024年度計914件)でした。
尚、昨年同月の2024年2月の大腸カメラ件数は66件でした。
胃カメラ(上部消化管内視鏡検査)の結果
2月160件のうち、悪性腫瘍認めませんでした。その他多くが異常なし、食道裂孔ヘルニア、逆流性食道炎、慢性胃炎、胃ポリープなどの良性疾患でした。
また、ピロリ菌の除菌治療は5例(一次除菌5件、二次除菌0件)でした。
大腸カメラ(下部消化管内視鏡検査)の結果
82件のうち、3例の方に悪性腫瘍(早期大腸癌・進行大腸癌)を認めました。その他大腸ポリープ(大腸腺腫)を切除した方は38例うち1例の方が2cm以上のポリープで、すべての方を同日に当院で内視鏡切除術を施行しております。
考察・まとめ
・胃カメラ(上部消化管内視鏡検査)160件施行し、すべて異常なしもしくは良性疾患の方でした。今年度の印象として4月から3例の食道癌の方を認めており食道癌が増えている印象です。いずれの方も逆流性食道炎が長く経過し、その結果Barrett 食道癌が発症したと推測されます。その他にも4月から既に13例の方に胃癌(胃腺腫での早期胃癌疑い含む)を認めております。多くが内視鏡切除術での加療となりましたが、外科的加療(開腹手術)となるかたもいらっしゃいました。悪性疾患には早期発見早期治療が最も大切です。心窩部の不快感や、心窩部痛、その他胃酸の逆流症状がある方は当院受診のうえご相談ください。また症状のない方も、ご家族歴やピロリ菌加療歴があるかたは、さいたま市胃癌検診やドックを用いた内視鏡検査が可能ですのでお気軽にご相談ください。また、ピロリ菌感染の方5例に除菌術を施行しております。除菌前後では胃癌の発症リスクが5分の1ほどに軽減されます。ピロリ菌感染を調べたことない肩や、陽性でも未除菌の方は当院で治療方針などをご相談させてください。
なお、今月に当院で腹部超音波検査を施行した方1例に膵頭部癌を認めたため近隣の総合病院へ紹介致しました。膵臓癌は今年度3例目であり、例年より多く認められ膵臓癌は近年増加傾向にある印象です。
・大腸カメラ(下部消化管内視鏡検査)82件を施行し、3例の方に早期および進行大腸癌を認めました。その他、37例(早期大腸癌と重複2例含む)の方に大腸癌前癌病変である大腸腺腫を認め同日に内視鏡切除術を施行し完全切除となっております。大腸の悪性腫瘍の方も、今年の4月から18例と昨年より多い印象です。いずれの悪性疾患も早期発見が予後を左右する重要な因子です。特に症状がある方は当院受診のうえご相談ください。
また今年度は、膵癌を3例認め大学病院や近隣の総合病院へ紹介しております。1例の方は、当院で施行したさいたま市胃癌検診(胃カメラ)にて上記を疑いました。3例とも当院で腹部超音波を施行し上記診断に至っております。当院では内視鏡検査だけでなく、腹部エコーにも力を入れておりますので自覚症状のある方は受診のうえご相談ください。
自覚症状がある方はもちろんのこと、自覚症状がなくても昨年健診を実施していない方はこの機会に受診の検討をお願い致します。
貧血症状、胃痛・腹痛、腹部違和感、便秘、下痢、血便、食欲低下、体重減少などの自覚症状や、癌の家族歴、ピロリ菌感染歴、健診にて便潜血陽性や貧血の指摘などがある方も一度受診をご検討いただけたら幸いです。
当院では、1年を通じてすべての内視鏡検査(胃カメラ・大腸カメラ)と腹部超音波検査(腹部エコー)を内視鏡専門医・消化器病専門医の松本院長、内視鏡専門医・内視鏡指導医・消化器病専門医の野中医師の2名で担当しております。松本院長は、月.火.水.木.金.土曜日と全日で診療・内視鏡検査をしており、野中医師は火、水、木、金で診療・内視鏡検査をしております。
尚、当院では麻酔を使い眠りながらの内視鏡検査(胃カメラ.大腸カメラ)も行っておりますので、お気軽にご相談ください。