内視鏡検査の総数

・胃カメラ・胃内視鏡（上部消化管内視鏡検査）1629件（昨年度は1585件）

・大腸カメラ・大腸内視鏡（下部消化管内視鏡検査）860件（昨年度は819件）

合計2489件（昨年度は2404件）でした。

上記2489件の全内視鏡検査（胃カメラ・大腸カメラ）の全てを内視鏡指導医・内視鏡専門医・消化器病専門医である野中Drが施行しております。

内視鏡検査結果の内訳

・胃カメラ・胃内視鏡（上部消化管内視鏡検査）では、全1629件中14件の悪性腫瘍（悪性腫瘍および前癌病変の腺腫）を認めましました。

その内訳は、胃癌10件、十二指腸癌2件、十二指腸悪性リンパ腫1件、十二指腸腺腫（前癌病変）1件でした。

・大腸カメラ・大腸内視鏡（下部消化管内視鏡検査）では、全860件中13件の悪性腫瘍を認めました。大腸癌が13件、直腸カルチノイド腫瘍が1件（結腸癌との重複）認めております。

その他、860件中335件の大腸ポリープ（大腸腺腫）を当院で切除しております。（上記の悪性腫瘍13件の一部の方も含みます。）

内訳の詳細

 ・胃カメラ・胃内視鏡（上部消化管内視鏡検査）

胃癌10件の方は進行癌2件、早期癌8件でした。そのうち2件が外科的手術、8件が内視鏡による治療（ESD：内視鏡的粘膜下層剥離術）となりました。

十二指腸癌の2件のうち1件は総合病院にて外科的手術加療、その他1件は、大学病院にて内視鏡的治療予定（ESD：内視鏡的粘膜下層剥離術）となっております。

十二指腸悪性リンパ腫の1件は総合病院血液科で加療・経過観察されております。

十二指腸腺腫1件は大学病院で内視鏡による治療（ESD：内視鏡的粘膜下層剥離術）予定です。

また、当院でピロリ菌除菌治療をされた方は1次除菌89件、2次除菌9件と合計98件の方が当院で除菌治療をされました。今年度は3次除菌をされた方はいらっしゃいませんでした。

・大腸カメラ・大腸内視鏡（下部消化管内視鏡検査）

直腸カルチノイド腫瘍（結腸癌重複）の方は総合病院にて内視鏡切除術を施行し治癒切除、同じ方の結腸癌に対しては外科的切除施行のうえ完治し、現在も経過観察中です。

その他13件の大腸癌を認め、そのうち4件が進行癌、9件が早期癌でした。4件の進行癌は近隣の総合病院や大学病院で化学療法や外科的加療（手術）を施行し、一部の方は治療した病院と当院で連携をとり現在も当院外来で術後経過観察をさせていただいております。

9件の早期大腸癌のうち5件の方は、当院での内視鏡検査日にそのまま日帰りで内視鏡切除を施行し治癒切除となっております。次回1年後に当院で経過観察予定です。

9件の早期大腸癌のうち4件の方（重複症例が1例）は近隣の総合病院へ紹介し内視鏡切除術（ESD：内視鏡的粘膜下層剥離術）を施行いたしました。全ての方が治癒切除となっております。

まとめ

2023年度は、当院で施行した胃カメラ・胃内視鏡（上部消化管内視鏡検査）で14件、大腸カメラ・大腸内視鏡（下部消化管内視鏡検査）で13件の胃癌・大腸癌・カルチノイド腫瘍十二指腸腺腫などの悪性腫瘍を発見し治療させていただきました。

今年度ほとんどの方が治療後治癒されました。癌などの悪性腫瘍は早期発見し早期の治療が重要と考えられます。そのためには定期的な健康診断や外来受診、何かの症状がある際には、我慢せずに早めの受診を心がけていただけたら幸いです。

また当院では、ヘリコバクターピロリ菌の除菌療法を積極的に施行しております。1次、2次除菌はもとより自費診療での3次、4次除菌も施行しておりますのでお気軽にご相談ください。

また当院では腹部超音波検査も全例を医師が施行しております。昨年度は2件の方に膵臓癌を認めました。

院長よりご挨拶

2023年度は合計2489件の内視鏡検査をさせていただき、全ての検査を私が担当しております。今年度受診した方の多くが埼玉県内在住の方ですが、東京都在住の方、神奈川県、群馬県、遠方では長野県や新潟県など他県からも受診され内視鏡検査をさせていただきました。

また、今年度は多くの総合病院や大学病院の医師、開業医の先生方が受診され内視鏡検査を施行させていただきました。多くの同業医師の検査を担当させていただいたことは、自信にもなりとても嬉しく思います。今後も同業医師や多くの患者様から信頼を得られるような内科医・内視鏡医を目指し日々精進していく所存でございます。

当院ではさいたま市の胃癌検診や大腸癌検診はもちろんのこと、肺癌検診、前立腺癌健診も施行可能です。また女性の乳腺専門医による乳癌検診も施行しております。

例年、9月以降は検査が大変混み合い予約が取りにくい状況になります。特に昨年がん検診を受診しなかった方や、何か症状がある方は早めの検診受診や内視鏡検査をご検討いただけたら幸いです。

当院は開院し10年目となり、内視鏡検査も年々少しずつ増えてきております。今年度は約2500件の検査を施行させていただきましたが、検査可能日が先となってしまうことで予約が取れなかった方が多数いらっしゃいました。私1人で外来診察、内視鏡検査、腹部超音波検査を施行しており内視鏡は2500件程度が限界であることが判りました。せっかく当院を受診していただいたにもかかわらず、内視鏡検査や腹部超音波検査の予約がとれないことが少しでも減るように、2024年4月より常勤医を1人増やし2人診察・検査体制と致します。

2024年4月1日より、新院長として松本泰輔先生が常勤医として加わります。松本先生も消化器内視鏡専門医・消化器病専門医であり内視鏡検査および内視鏡治療を専門とされております。詳しくは当院のホームページをご確認ください。なおホームページも今後リニューアルする予定です。

松本先生は、月・火・水・木・金・土曜日と毎日検査および外来診療しております。

私の外来診察と検査は、火・水・木・金となり、その他の曜日は老健施設みやびの里に勤務しております。

もし何か気になる症状などございましたらお気軽にご相談いただけたら幸いです。

今後ともご指導のほど、どうぞ宜しくお願い申し上げます。

2024年3月末　　野中　雅也