当院では、胃食道逆流症・逆流性食道炎の改善による生活の質(QOL)の回復が重要と考え、さいたま市健診を始め各種健康診断、人間ドックによる胃カメラ(胃内視鏡検査)に力を入れております。
2023年度は胃カメラを1,629人、2022年度は1,585人施行し、多くの患者様の逆流性食道炎を診断および治療させていただきました。胃カメラは内視鏡指導医・内視鏡専門医である私が全ての検査を施行いたしました。また、麻酔を使用した眠りながらの胃カメラも施行しており、以前の胃カメラがとても辛かった、初めてで怖くて検査を受ける気持ちになれない。等の不安感がある方がいらっしゃいましたらご相談ください。
胃酸などの消化液や食物が食道内に逆流することによって生じる胸焼け・口の中で酸っぱい水が上がる感じ(呑酸)・吐き気などの消化器症状や、胸の痛み、せきこみや呼吸苦などの呼吸器、のどの痛みなどの上気道症状があります。
胃食道逆流症(逆流性食道炎)は次のように分類されます。
1 逆流性食道炎:胸焼け・呑酸・痛み・げっぷ・食欲低下などの逆流症状を認め、胃カメラ(胃内視鏡検査)で食道粘膜にびらんや潰瘍などの粘膜障害を認めるもの。
2 非びらん性胃食道逆流症:上記の逆流症状を認めるが胃カメラ(胃内視鏡検査)で粘膜障害を認めないもの。
胃食道逆流症の罹患率は、日本人で10%程度といわれていますが、近年は増加傾向にあります。
逆流性食道炎が悪化した場合、吐血や下血、食道の一部が狭くなって食物が通りにくくなる食道狭窄、バレット食道(粘膜)、食道がんなどになることがあります。
まずは生活習慣や肥満の改善が重要です。飲食の内容や食事の時間を確認させていただき改善面があればアドバイスさせていただきます。また、必要であれば内服加療を併用いたします。内服は胃酸を抑える酸分泌抑制薬、粘膜保護剤、消化機能改善薬などを使用する事が多く、ストレス性の要因が多い場合は抗不安薬や漢方も併用することがあります。 現在は外科的治療(手術療法)をすることはほとんどありませんが、内服薬による保存的治療で改善無い場合は、大学病院での胃カメラによる治療も考慮させていただいております。
逆流性食道炎や非びらん性胃食道逆流症などの胃食道逆流症は、日本では増加傾向にある疾患です。原因はピロリ菌感染率の低下、食生活の欧米化、肥満症、内服薬の種類増加による副作用など様々です。症状によっては生活の質(QOL)が低下してしまい、日常生活や仕事、学業にも影響することがあるため、早めの診断と治療開始が大切です。
放置するとバレット粘膜を発生します。バレット粘膜は健常者と比べ30-60倍の食道癌発症リスクを有するとされており定期的な経過観察が重要です。
当院では私が年間1,600件前後の胃カメラを施行しております。また開院前の大学病院勤務では内視鏡センター医局長として、年間5,000件以上の胃カメラの全診療に携わっており、多くの逆流性食道炎や胃食道逆流症の患者様の治療と経過観察をさせていただきました。
もし胃カメラに恐怖感や、今までにとても辛くて2度と受けたくないなどの御心配がありましたら、苦しくない・辛くない内視鏡を心掛けており、また麻酔を使い眠りながらの検査も施行しておりますので一度ご相談いただけましたら幸いです。
のなか内科 野中 雅也
のなか内科は、埼玉県さいたま市大宮区(旧大宮市)に野中医院として開院し、野中病院を経て今年で79年目となります。今後もさいたま市や大宮区の地域医療を担っていきたいと思っております。どうぞよろしくお願いいたします。
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