睡眠時無呼吸症候群の主な原因は肥満ですが、太っていなくても、痩せていても、女性でもかかる病気です。なぜなら、以下のような特徴によって、のどの空気の通り道が狭くなり、さらにはふさがってしまい、いびきが生じるためです。
睡眠時無呼吸症候群になりやすい特徴
◇ 首が短い
◇ 首が太い、まわりに脂肪がついている
などの肥満症
◇ 下あごが小さい、小顔
◇ 下あごが後方に引っ込んでいる
◇ 歯並びが悪い
などの下顎発育不全
◇ 睡眠薬の多量摂取、アルコールの多飲
主な症状としては、強いいびき(最も多い症状)、起床時の頭痛、日中の強烈な眠気、だるさ、起床時の喉の渇き、目覚める回数が増える、集中力の低下、夜間の頻尿、胃酸の逆流症状などがあります。
また、内服加療に抵抗性の高血圧症がある場合は睡眠時無呼吸症候群の可能性を考慮する必要があります。
当院では、携帯型睡眠モニターをご自宅で一晩着用していただき睡眠状態(鼻気流・体内酸素量・呼吸運動)を評価いたします。
評価の目安は呼吸停止と重度のいびきを合計した1時間あたりの平均回数で、無呼吸低呼吸指数(AHI)と呼ばれます。
この数字がAHI5以上であれば睡眠時無呼吸症候群と診断され、AHI30以上で重症度睡眠時無呼吸と診断されます。なお、AHI30以上では明らかに心血管系合併症の頻度が増し生命予後が悪くなるとされております。
まずは生活習慣の改善が基本となります。喉の周辺に脂肪が蓄積されていると呼吸がしづらくなるため、体重管理を行い、減量をめざしていきます。
さらに、AHI40以上の方については、寝ている間の対処療法として、「CPAP療法」と呼ばれる鼻マスクを装着し、マスクにつながった機械から空気を送り込むことで呼吸を改善させる治療を行います。
その他鼻閉が強ければ点鼻薬の併用、睡眠薬の休薬、摂取、側臥位での睡眠などがあります。また、アデノイド切除や鼻閉・鼻中隔側弯の外科的加療で根治が得られることもあります。
のなか内科は、埼玉県さいたま市大宮区(旧大宮市)に野中医院として開院し、野中病院を経て今年で76年目となります。今後もさいたま市や大宮区の地域医療を担っていきたいと思っております。どうぞよろしくお願いいたします。
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