2025年8月の当院の胃カメラ・大腸カメラの検査結果の概況
胃カメラ(上部消化管内視鏡検査)件数の詳細
2025年8月の当院での胃カメラ件数は174件(2025年度計786件)でした。
尚、昨年同月の2024年8月の胃カメラ件数は191件でした。
大腸カメラ(下部消化管内視鏡検査)件数の詳細
2025年8月の当院での大腸カメラ件数85件(2025年度計417件)でした。
尚、昨年同月の2024年8月の大腸カメラ件数は95件でした。
胃カメラ(上部消化管内視鏡検査)の結果
8月174件のうち、悪性腫瘍を4例認めました。その他多くが異常なし、食道裂孔ヘルニア、逆流性食道炎、慢性胃炎、胃ポリープなどの良性疾患でした。
また、ピロリ菌の除菌治療は7例(一次除菌6件、二次除菌1件)でした。
大腸カメラ(下部消化管内視鏡検査)の結果
8月85件のうち、悪性腫瘍を1例認めました。その他大腸ポリープ(大腸腺腫)を切除した方は34例で、すべての方を同日に当院で内視鏡切除術を施行しております。
考察・まとめ
・胃カメラ(上部消化管内視鏡検査)174件施行し、1例に早期食道癌、1例に進行胃癌、1例にMALTリンパ腫、1例に十二指腸腺腫(前癌病変)を認めました。1例の早期食道癌の方は無症状で、さいたま市胃がん健診の施行にて発見に至りました。他に1例のMALTリンパ腫の方は医療ツーリズム目的で当院に来院された他国籍の方です。数週間前から胃もたれ・げっぷが続いているとのことでした。1例の進行胃癌の方は2週間前からの胸痛を主訴にて胃カメラを施行し発見に至りました。1例の十二指腸腺腫の方は2週間前からの嘔気とげっぷを主訴にて胃カメラを施行し発見に至りました。この腺腫は非常に大きいため内視鏡的な治療は困難に思えます。上記全ての方は総合病院へ紹介し精査加療中です。
悪性疾患への対応は早期発見早期治療が最も大切です。腹部の不快感や嘔気、心窩部痛・腹痛、その他胃酸の逆流症状がある方は当院受診のうえご相談ください。また症状のない方も、ご家族歴やピロリ菌加療歴があるかたは、さいたま市胃癌検診やドックを用いた内視鏡検査が可能ですのでお気軽にご相談ください。
また、ピロリ菌感染の方7例に除菌術を施行しております。除菌前後では胃癌の発症リスクが五分の一ほどに軽減されます。ピロリ菌感染を調べたことがない方や、陽性でも未除菌の方は当院で治療方針などをご相談させてください。
・大腸カメラ(下部消化管内視鏡検査)85件を施行し、1例の方に進行癌を認めました。34例(重複例を含む)の方に大腸癌前癌病変である大腸腺腫を認め同日に内視鏡切除術を施行し完全切除となっております。1例の進行癌の方はさいたま市健診の便潜血反応が陽性のため大腸カメラを施行し発見に至りました。総合病院に紹介し既に外科的治療を終えて、現在も当院に定期受診されております。
いずれの悪性疾患も早期発見が予後を左右する重要な因子です。特に症状がある方は当院受診のうえご相談ください。
また昨年度は腹部超音波(腹部エコー)にて膵臓癌を3例発見し大学病院や近隣の総合病院へ紹介しております。1例の方は、当院で施行したさいたま市胃癌検診(胃カメラ)にて上記を疑いました。当院では腹部エコーも全例医師が施行しておりますので自覚症状のある方は受診のうえご相談ください。
自覚症状がある方はもちろんのこと、自覚症状がなくても昨年健診を実施していない方はこの機会に受診の検討をお願い致します。
貧血症状、胃痛・腹痛、腹部違和感、便秘、下痢、血便、食欲低下、体重減少などの自覚症状や、癌の家族歴、ピロリ菌感染歴、健診にて便潜血陽性や貧血の指摘などがある方も一度受診をご検討いただけたら幸いです。
当院では、1年を通じてすべての内視鏡検査(胃カメラ・大腸カメラ)と腹部超音波検査(腹部エコー)を内視鏡専門医・消化器病専門医・肝臓専門医の松本泰輔院長、内視鏡指導医・内視鏡専門医・消化器病専門医の野中医師の2名で担当しております。松本泰輔院長は、月.火.水.木.金.土曜日と全日で診療・内視鏡検査・腹部超音波検査を担当しており、野中医師は火、水、木、金で診療・内視鏡検査・腹部超音波検査を担当しております。
尚、当院では麻酔を使い眠りながらの内視鏡検査(胃カメラ.大腸カメラ)も行っておりますので、お気軽にご相談ください。